▲報告書によると、ドーピングによりシカゴ・マラソン連覇の記録などを取り消されたリリア・ショブホワ元選手は、違反を隠すために夫とともに露陸連幹部に賄賂を支払っていたと証言した。「ロシア代表の99%がドーピングで違反している」と訴えた円盤投げの選手もおり、不正が恒常的に行われていた実態が明るみに出ている。

 旧ソ連時代、政権は国力誇示の手段としてスポーツを重視した。選手の育成は国を挙げて行われ、好成績を収めれば住居や金銭、車を好条件で購入する特権が付与されたという。

 スポーツを国威発揚に積極的に利用する傾向は2012年のプーチン大統領の復帰以降、再び顕著になったと指摘されている。プーチン氏は14年のソチ冬季五輪、18年のサッカー・ワールドカップを相次ぎ招致。国際スポーツイベントの開催は、ソ連崩壊で混乱した過去を清算し“大国復活”を内外に印象づけるための格好の手段となりうる。ソチ五輪でのメダル獲得者には、金、銀、銅によって異なる金額と種類の高級乗用車が付与されるなど、成績優秀者は政府によって「成功者」扱いされた。
引用元:【ドーピング】ロシア「メダルは国力」「勝利のために手段を選ばない文化」 旧ソ連時代の国威発揚復活(1/2ページ) - 産経ニュース

▲世界反ドーピング機関(WADA)独立委員会が指摘したロシア陸上界を巡る国ぐるみのドーピング。9日にジュネーブで記者会見したディック・パウンド委員長は、「すべては国家当局の知識、同意なしには起こりえない」と、スポーツ大国で行われていた未曽有の不正行為を糾弾した。

 パウンド委員長は約100人の報道陣を前に、ロシアの国家関与があったかと問われると、即答した。「国が同意し、容認していたという意味では『イエス』だ。それ以外の結論はありえない」

 調査は今年1月から行われ、公表された300ページ余りの報告書は関係者の証言、施設の立ち入り検査などで得た実態が記されている。ロシアのムトコ・スポーツ相の関与についても「確定的には言えない」としながらも「(ドーピングが)あまりに広範囲に起きており、大臣が知らないのは不可能。知っていたということは、共謀と同じ」と断じた。
引用元:露当局の「関与」糾弾…反ドーピング機関独立委 : スポーツ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)


▲ロシアの組織的なドーピングは昨年末から報じられ、WADAが疑惑解明に向けた調査を進めてきた。第三者委は不正行為が2012年ロンドン五輪や14年ソチ五輪で実際の競技の結果にも影響したことから、国際サッカー連盟(FIFA)を巡る汚職事件よりも重い事態だと指摘。処分は5人のロシア選手の永久追放や、同国のドーピング検査機関の認証取り消しなどに及ぶ見通しだ。

 今後は国際刑事警察機構(ICPO)が陸上界でのドーピングに対する広範囲な捜査で調整する役割を担うという。
引用元:ロシア陸上、リオ出場停止も 反ドーピング機関勧告  :日本経済新聞